【伝統工芸品のご紹介】~淡路香~
2020.02.17 伝統工芸品について
【歴史】
お香の起源は、パミール高原(その大部分は現在のタジキスタンに含まれる)に発するといわれ、
その後インドに伝わりました。
紀元前5世紀後半「釈迦」による仏教が興ると、焼香としての「香」が盛んに奨められ、
仏教の伝播とともにお香は中国を含め各地へ伝わっていきました。
我が国では、『日本書紀』に“推古3年(595年)の夏4月、淡路島に沈水が漂着した”と記されており、
これがお香に関する最古の記録です。島民たちは、最初それをただの流木だと思いました。
しかし、他の薪と一緒に竃の薪としてくべたところ、煙とともに素晴らしい香りが遠くまで広がったので、
島民たちはその流木を朝廷に献上したのです。
※淡路島にある伊弉諾神宮境内には、香木伝来を記念して石碑が建てられています。
【製作工程】
①調合/混練
原料・香料を調合した後、温水を加え約30分練り上げたのち円筒形の「練り玉」に仕上げる
②成型
練りあがった練り玉を成型機に仕込み、素麺状に押し出す
③裁断
成型されたお線香・お香を銘柄に応じたサイズに切り揃える
④乾燥/検品
湿度管理された乾燥室で品質チェックを行いながら約24時間乾燥させる
その後、乾燥したお線香・お香は1本1本チェックする
厳重な検査を行い、曲がりや折れなどがあるものは取り除かれる
⑤箱詰
銘柄に応じて規定容量または数量のお線香・お香を箱詰めする
※近年では機械化が進んでおり、さまざまな制作過程で導入されています。
しかし、お香の命である「香り」は、天然原料の奥深さや秘伝の調香の妙によるもの
であることに変わりはございません。
【お香とは】
仏事などに用いられるお線香は「慈悲の心」を表しているといわれています。
お線香を焚き、その香りが広がることで慈悲が平等に行き渡るという意味があるとされています。
【お彼岸】
西方極楽浄土の信仰と結びついた日本独自の仏教行事です。
太陽が真東から上がって真西に沈み、昼と夜の長さが同じになる「春分の日」と「秋分の日」。
それぞれを中日とし、前後3日の計7日間を「彼岸」とよび、
この期間に仏様の供養をする事で極楽浄土へ行くことが出来ると考えられていました。
・春の彼岸 : 毎年3月の春分の日を中心として、その前後3日間を合わせた1週間
・秋の彼岸 : 毎年9月の秋分の日を中心として、その前後3日間を合わせた1週間
※「国民の祝日に関する法律」によりますと、
春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」、
秋分の日は「先祖を敬い、亡き人をしのぶ」と定められています。
【日本一の生産量】
兵庫県淡路島のお香・お線香の生産量は、日本国内の生産量の約70%以上を占めています。
・降雨量が少なく、製造工程で乾燥を必要とするお線香づくりには、瀬戸内海の西風が非常に有効とされている
・立地条件に恵まれ、原材料の搬入と製品輸送に便利である
【印香】
日本の素晴らしい伝統や文化、風情ある建物などをテーマにした日本の魅力が印刷されたお香です。
関連商品はこちらから